介護の定義とは

そもそも介護とは何か

そもそも介護とは何か、辞書的には「病人や高齢者を世話し、介抱すること」などと定義できます。
ですが、多くのケースでは長期間におよぶ活動となるので、そのあいだ、心安らかに送れるよう、本人・家族の暮らしへの影響も考えておく必要があります。
介護とは、高齢者や病人、認知症の方などを対象とした介護をさして定義されることが多いのですが、身の回りの世話や食事・しものケアなどができれば「それでOK」というわけにはいきません。お年寄りであったり、なんらかの不自由を有していたとしても、相手の人間としての尊厳を守ることが大切です。
介護の形も多様化し、自宅介護にくわえ施設に委託するケースも増えています。施設介護とはいっても、デイケアやショートステイを使った「半自宅介護」も人気急上昇中です。

介護のきっかけは?

介護生活がはじまるきっかけは何か、突然に訪れることが多いので、心の準備が十分できない人は多いでしょう。前もって「どんな病気(あるいは状態)が介護の原因になるのか」を知っておくことも準備のひとつです。
そのランキングを見てみましょう

介護の原因ランキング

1位 脳血管疾患(脳卒中)18.5%
2位 認知症 15.8%
3位 高齢による衰弱 13.4%
4位 骨折・転倒 11.8%
5位 関節疾患(リウマチなど) 10.9%
6位 心疾患(心臓病) 4.5%
7位 パーキンソン病 3.4%
8位 糖尿病 2.8%
9位 呼吸器疾患(肺気腫、肺炎など) 2.4%
10位 悪性新生物(がん) 2.3%
11位 脊髄損傷 2.3%
12位 視覚・聴覚障害 1.8%
その他 10.2%

出典:厚生労働省「平成25年 国民生活基礎調査」
第14表 要介護度別にみた介護が必要となった主な原因の構成割合 平成25年より

これを、日本人の死亡原因比率と比べてみましょう。

1位 悪性新生物(がん) 27.9%
2位 心疾患(心臓病)15.3%
3位 脳血管疾患 8.2%
4位 老衰 7.6%
5位 肺炎 7.2%
6位 不慮の事故 3.0%

出典:厚生労働省「平成29年人口動態統計」より

これを見比べると、被っている項目とそうでないものがあるのがわかります。
ガンは死因原因ではトップですが、介護原因としては低位ですし、認知症は死亡原因としては極めて低位ですが、介護原因としては2位となっています。
認知症の初期段階なら投薬治療やリハビリで、症状の進行を遅らせることはできますが、家族の負担減のため、介護施設の利用という選択肢も強く検討しておいたほうがよいでしょう。
介護生活がはじまるきっかけは、さまざまですが、お金や費用、そしてさまざまな施設のサポートを受けるためにも、公式に要介護認定を受けることが先決です。申請後の訪問調査の結果、要介護度が認定されれば、1割の自己負担で治療が受けられます。

介護の実際はどんな感じ?

介護の実際としては、特に家族の負担という点では、「誰がどこで」という状態によって大きく異なります。

誰が誰を介護するか

いったい現場では、誰が誰を介護するのか、日本ではとくに、家族が引き受けるのが当然視されています。自宅介護とはいっても、介護する側が60歳を超え「老老介護」状態がほうぼうで見られるようになり、社会問題化しています。
誰が誰を介護するかで、ヘルパーに委託する選択肢もあります。資格をもったヘルパーが自宅を訪問し、生活をサポートする介護形態で、週に2〜3日だけ来てもらうなどの利用方法もあります。
施設介護を利用する場合は当然、施設の職員が介護者となります。家族の負担が減るのがメリットですが、ここ数年の報道をみるに問題のある施設は少なくないので、口コミ評判をチェックし、できれば施設を見学するとより安心です。

自宅、施設、どこで介護するのか

介護は、自宅で十分という人もいれば、施設を利用する選択肢も広く支持されています。自宅介護は24時間体制で負担増となりがちなので、介護保険や地域サービスも併用するのがおすすめです。
遠距離介護は、最近とみに増えている介護スタイルです。遠距離介護でも電話やスカイプで本人とこまめに連絡をとり、かかりつけ医とは24時間体制で往診してもらえるようしておけば大安心です。
自宅以外で、要介護者を介護する施設としては、特別養護老人ホームや老人保健施設が利用できます。施設を利用する場合でも、生活の場としての自宅を維持したい人に、施設のデイケアやショートステイサービスも人気です。

介護サービスを行う施設

高齢者の介護サービスを行う施設について、特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設などが該当します。いずれにしても、法改正後は在宅復帰を目標に、ケアに積極的な施設が多くなっている状況です。
介護サービス付きの特別養護老人ホームは、寝たきりや認知症の人には生活の場となる施設です。きょうびは、各居室が食堂などの共同スペースに面した「ユニットタイプ」が人気です。老人保健施設は、ケアプランに沿って在宅復帰を目標とします。
介護療養型医療施設は、医療に重点をおきながら介護サービスを提供します。認知症や寝たきり状態を治療し、自宅復帰またはより軽度の施設に移れるまでに、回復させることを目的としています。

介護とお金の問題

介護にはお金がいくら必要か、年金だけでは不安な人は多いでしょう。在宅介護でも1000万円以上のお金が必要とされ、介護保険サービスを受けられれば1〜2割の自己負担で済みます。
介護にかかるお金は、介護付き有料老人ホームの場合、東京都の例で要介護1の人は月額1700万円超からかかります。入居時費用の全国平均は「みんなの介護」などによると、有料老人ホームが約780万円、サービス付き高齢者向け住宅で約23万円などとあります。
介護にかかるお金について、多くの有料老人ホームは「入居一時金方式」を採用しています。介護専門型は5年分、入居時自立型は10〜16年分が相場。入居一時金0円の施設もありますが、月額は割高傾向です。

介護と保険

介護をサポートする保険について、介護保険は代表的な公的保険です。要介護度が認定されれば、1割の自己負担で、リストに入っている介護サービスが受けられるのがメリットです。
介護保険は40歳以上が加入する強制保険で、保険料は市区町村ごとに異なり、原則的に所得に応じて決定されます。介護サービスの費用は、9割が介護保険から出ることになっていて、高齢化社会に対応できる体制が出来上がっています。
ただし、介護保険を受けるには、居住地の市区町村の窓口へ申請が必要です。申請後、原則として1週間以内に訪問調査が実施され、要介護度が認定されます。認定後、不服や苦情があれば申し立てができます。

介護について相談するには

介護についての相談先は、高齢者総合相談センター(シルバー110番)が超定番、相談料は無料です。未設置の自治体でも、たいていもよりの役所や福祉事務所でも同様に相談できます。
認知症のことで、介護についての相談先は「認知症の人と家族の会」が打ってつけ、本部・支部で電話相談できます。ホームページには認知症にかんする情報であふれていて、最新情報にアクセスできます。
介護相談はインターネットも活用できますが、サイト数がぼう大なので、相談内容をもとに厳選するとよいでしょう。ぴったりの相談窓口やイベントを検索できる「長寿ネット」、介護保険の利用法などの情報検索に「あったかタウン」や「WAM NET」が人気どころです。