認知症の症状や診断と介護のポイント

  • 2019年2月14日
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認知症とは

高齢者に多い認知症とは、じつは脳の病変が原因です。いわゆる普通の「もの忘れ」とは「明らかに違う」記憶力の低下が、主な症状にあげられます。ちなみに、歳を重ねての「もの忘れ」は加齢による生理的な現象で、年齢相応に誰にでも生じます。
で、「認知症」ですが、以前は「痴呆症」と呼ばれていたことがありました。この言葉が差別的だということになって呼び方が変更された病名です。2004年に厚生労働省の行政用語として使われ始め、医療機関やマスコミを通じ、一般にも浸透していった経緯があります。
認知症とは、もの忘れと混同されやすいとよくいわれますが、認知症は「忘れたことを自覚していない」時点で、すでに病気です。完治は難しいのですが、最近は医療技術が進歩し、投薬治療やリハビリが効果をあげています。

認知症の初期症状

認知症の初期症状

認知症の初期にどんな症状が出るかというと、「新しいことをすぐ忘れる」ことがあります。
記憶には長期記憶や短期記憶があり、認知症にかかると近時記憶・短期記憶がまず侵されるので、新しいことが覚えにくくなるのです。
パソコンで例えれば、ハードディスク(長期記憶)はまだ働いているけれど、メモリ(短期記憶)の具合が悪くなっている、という感じです。
具体的な症状としては、「昔のことはよく覚えているけど、直近の記憶が思い出せない」ということがしばしば生じるようになります。それによって、次のような行動が目立ち始めます。

・同じことをなんども話す
・同じことをなんども聞いてくる
・財布や切符などをどこへしまったかわからなくなる

ということで、本人は普通にしているつもりでも、つじつまの合わない行動で家族とトラブルを起こすことがままありますが、これも1つの初期症状なのです。わたしの母も、久しぶりに会った時、とても饒舌になっており(鬱陶しいほどに)、しかも同じ話しばかりが繰り返され閉口したことがあります。切符や財布もよくなくし…といっても、自分がどこにしまったかを思い出せなくなるのですが、それが原因で駅の改札口で荷物を全部チェックするハメになったこともあります。

そして、認知症の初期に限らない症状ですが、時間の見当がつかなくなることもあげられます。
専門的には、「見当識障害」と呼ばれます。「見当識」とは、時間や場所、立場など、自分が置かれている基本状況の認識」のことです。
これが弱くなると、時間の認識、場所の認識、立場などに認識がゆらいだ発言をするようになり、やがて、自分の生年月日は覚えていても、現在の年齢が計算できなくなるようになります。

また、本人にとってもいろいろ思い通りにならないので、戸惑いや不安を覚え、時にはそれが「怒り」となって周囲に発散されることもあります。

認知症症状の段階

認知症の症状には、記憶障害や見当識障害があり、段階的に症状が進みます。記憶の衰えは、つい先ほどの行動を丸ごと忘れることにはじまり、食事したのに「まだ食べていない」は典型的です。さらに段階が進むと、古い記憶=つまりハードディスクに記録されている情報すら取り出せなくなります。そうなると、家族の名前・顔さえ忘れるケースもあります。

見当識障害については先ほども少し記しましたが、時間や曜日を把握できなくなり、進んだ段階では、迷子になることが多くなります。

認知症の段階が進行すると「失行(しっこう)」といって、「今までできていた日常的な行動」ができなくなります。そして、さらに段階が進行すると、知覚障害や全身衰弱などの症状が現れるまでに悪化します。

認知症のテストや検査

認知症の初期症状は、簡単なテストでかなり正確にチェックできます。新しいことをすぐ忘れる、時間・曜日の見当がつかなくなるなど、かなり危険水域にあるといえます。
認知症の検査は病院で受けると、まず医師による問診があり、答えるときの様子や話しぶりも判定ポイントとなります。続く記入式の知能テストも併用し、総合的にチェックするのが一般的です。
認知症かテストしたい患者に、MRI検査が使われることが多々あり、ペースメーカーを使っている人にはCT検査が使えますが、初期症状のチェックには不向きです。ですが、最近はPET検査やSPECT検査法が開発され、初期症状でもかなり正確にチェックできるまでに進化しています。

認知症の薬

認知症の症状に対して処方される薬に、初期症状や脳血管性認知症の場合、よく脳循環改善薬が処方されます。セロクラールやケタスの薬名で、意欲低下やうつ状態の症状に対し、改善効果が認められています。
アルツハイマー型認知症に対しては、アリセプトなどの薬がよく処方されます。アセチルコリンが脳内にとどまりやすくなる働きから、軽度〜中程度の症状に改善効果が認められています。うつや異常行動の症状に対しては、精神病治療薬が処方されることがあります。
認知症の薬は一般的に、本人が適切に管理するのは難しいので、介護者の側で管理するのがおすすめです。服用中でも、薬の副作用が起きたら即服用を中止し、早めに医師に連絡することが大切です。

認知症と保険

認知症はもちろん、介護保険サービスの対象としてリストアップされています。公的な介護保険は代表的な社会的支援の一環であり、要介護度が認定されれば、1割の自己負担で治療が受けられます。
ただし、介護保険サービスを受けるには、まず市区町村の役所に申請して、要介護度を認定してもらう必要があります。認知症で申請すると、たいてい1週間以内に訪問調査が実施され、介護度を判定する仕組みになっています。
認知症で介護が必要になった場合、保険で施設に入居できるようになります。施設別では、家庭的なグループホームが人気急上昇中です。在宅サービスでは、デイケアやショートステイが人気です。

認知症の介護

認知症の自宅介護

認知症について、自宅介護を選択した場合、第一に信頼関係を大切にし、がんばらないのがコツです。認知症になっても、本人のプライドは保たれているものです。介護者が高圧的な態度をとれば、本人の自尊心は深く傷つきます。
認知症の自宅介護は接し方も重要で、話したいことは簡潔に、語りかけるときはハッキリ・ゆっくりがシンプルな鉄則です。また、本人が体の不調を訴えることは難しいので、代理でこまめに健康をチェックするとよいでしょう。
自宅介護を貫くとしても、週に2〜3回でもヘルパーに委託するのはアリです。また、デイケアやショートステイも併用し、自宅外でのふれ合いを通じて、気持ちが明るくなるなどの効果も期待できます。

認知症の介護施設

認知症は、自宅介護が難しい場合、介護施設を利用する選択肢があります。特別養護老人ホームは代表的な施設で、本人にとっては新しい生活の場となります。居住費や食費は自己負担、オムツ代などは込みの施設が大半です。
認知症の症状が進行した段階では、介護療養型医療施設に入居するケースは多々あります。経営母体は病院や診療所で、介護施設というより病気治療をメインとし、症状の改善を目標としているのが特徴的です。
認知症の介護施設については、グループホームも人気があります。グループホームは制度上、賃貸施設に入居する格好になり、食費や光熱費は自己負担とする施設が大半となっています。